カルテ25 『どうして欲しい?』

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 緒方君!  拡げた両腕で、抱きしめて。  わたしの身体はすっぽりと緒方君の中に納まる。 「今夜の電話はね、緒方君に……緒方君自身にこうして会いたいって、心から思ったから、だから――」  言葉の先は、唇が塞がれて言えなかった。  柔らかくて甘くて、蕩けるような長い長い口づけ。  気持ちを溶かしてしまうようなこんなキスは、久しぶりだった。  一緒にいるのが自然。気持ちが溶け合う。ずっとこのままでいたい。
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