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言うの? 少し上目遣いになった。
少し見つめ合って、沈黙。
「傍に、行ってもいい?」
沈黙を破ったのは、緒方君の言葉だった。
あの時はどうだったの? とか。今は? とか。
そんな、まるで互いを牽制し合うような問答なんて、もういらない。
互いの気持ちは、きっと、二人とも分かってる。言葉にしなくても。
いつのまにか、必要で、傍にいて欲しい、そう思える人になっていた。
そう、だよね、緒方君?
わたしは堪らず持っていたグラスを置いて、両手を伸ばした。
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