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若い時なら、ビビッと来るものがあって自分はこの人に恋をしたって燃え上がれたかもしれないけれど。
本当に心から求める相手に巡り会えたら、気付かないうちに心の深淵から染まっているのかもしれない。
そのまま、横になれる形になっているカウチソファー。
唇を重ねたまま、わたし達は倒れ込んだ。
ゆっくりと唇を離して、見つめ合って。
「緒方君……」
緒方君は肩を竦めてクスリと笑った。
指の長いしなやかな手が、わたしの髪を梳く。指だけで痺れてしまいそうだった。
「どうして欲しい?」
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