嫉妬 4

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嫉妬 4

「怖いけど……いいよ。あなたたちになら。俺は同時にふたりを受け入れる」  夕凪からの甘い誘惑……それが何を意味するのか、すぐに分かった。  とうとうこの日を迎えるのか。律矢と二人で夕凪を抱いた日から、いつかやってくると思っていた、その野蛮ともいえる行為を許してくれるのか。 「いいのか……本当に?」  張り詰めた表情だが、固く決心したようにコクリと無言で頷く夕凪。  そんなこと本当に出来るのか。夕凪のそこは裂けたりしないか。壊しやしないか。そう躊躇する心の奥で、私の中の男の本能が欲求してくる。  やってみたい。  律矢だけでなく私もそこに挿入したい!  潜り込みたい!  いつもは夕凪の下の口に挿るのは入れ替わりだった。だがいつからだろう。浅ましい欲求が芽生えたのは、律矢で感じているその蕾に同時に入り、同じ時を刻み感じてみたい。 「本当にいいのか……夕凪」  軽口を叩いていた律矢も、いつの間にか真剣な顔つきになっていた。 「信二郎……やるか。だが俺達で夕凪をよく溶かしてからだ。夕凪を傷つけるわけにはいかない」 「あぁ分かっている」  律矢の声を合図に、私は着物をバサリと畳に脱ぎ捨て、私たちのことを不安げに見つめていた夕凪をドサッと寝床に押し倒した。腰紐に絡まっていた浴衣を剥ぎ取り、薄い平らな胸も薄い茂みもすべて露わにさせる。  朝日に浮かぶその肌は、女のようには柔らかくはないが硬質な弾力と侵しがたい美しさを持っている。改めてまじまじと夕凪の裸体を眺めた。  女ではないのだ。さっき抱いた女とは似ても似つかぬ平らで骨ばった男の躰なのだ。  うっすらと品よくついた胸筋……腹筋。  触れればやはり適度な硬さを持っている。 「あっ……」  夕凪は本当に硬質な色気を放っていると感嘆のため息が漏れてしまう。  私が愛する肉体は、やはり夕凪だ。男のこの躰が愛おしいのだ!    そのまま夕凪の左の乳首に吸い付くと、律矢が右側を吸った。乳首がふたつあることに感謝する。私たちは同じ動きにならないようにタイミングをずらして小さな粒を同時に愛撫していく。律矢が強く吸えば、私は甘噛みしてやる。 「や……やだ……あぁ……こんなのは……」  夕凪が突然の強い快楽に顎を反らし、悲鳴じみた声をあげた。  その声に煽られ……舌先は乳首に集中させたまま、私と律矢の四本の手で、夕凪の躰を隈なく忙しなく愛撫していく。艶やかな黒髪を撫でてやり、夕凪の可愛らしい大きさの性器をやわやわと揉み解し、緩急つけて追い詰めていく。  快楽の底へと追いつめていく。 「あ……や……そんな……あっ、嘘……」  今までない二人からの激しい愛撫に、夕凪の躰は布団の上を跳ねまくった。身体中を舐めまわされ……切ない吐息を吐いては、感じ過ぎた躰を震わせていた。 「はぁ……あぁ……もう嫌っ……律矢さん……信二郎っ、あっ」 「気持ちいいか」 「う……っつ」  更に布団に投げ出された、すっと伸びたほっそりとした脚を一本ずつ律矢と私で愛撫してやる。人間の躰には二つあるものが多いな。ふたりに同時に愛されてもいいのだ。などと、変な納得をしてしまう。  舌を内股の際どい部分に律矢が這わせれば、私は足の小指を口に含み吸ったりと……今までしたこともない愛撫の仕方で夕凪の理性を奪い取ってやる。  耳も両方から舌を差し込み、舐めまわしてやる。手の指一本一本にも愛撫を咥えていく 「あっあっ……」  夕凪は短い悲鳴と喘ぎを交互に吐いている。  二輪挿しはまともな心と躰のままでは、受け入れられないだろう。  私と律矢は本能でそれを知っていた。  だからいつもの倍、いやそれ以上の愛撫を夕凪に施していく。  蕩けてしまえ。  俺達の色に……  何もかも忘れてしまえよ!  ふたりの情という情を注ぎ込むと、夕凪は涙を流して縋った。 「もう焦らさないで……もう欲しい。ここが……疼いて疼いて……苦しい」  目元を赤く染め、長い睫毛を揺らしながら、夕凪の手がおずおずと自分の下腹部を擦った。  気高い若旦那だった夕凪がこんなことを……感極まる瞬間だった。  いつもなら絶対にしない仕草だ。  夕凪をここまで堕とせたことに、男としての征服欲が唸る。 「分かった。今挿れてやる」
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