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「ねぇ。」
「あぁ?!」
時雨を呼び掛ければ苛立ちに身を任せて振り向かれた。私を睨む瞳が厳しく刺さる。
スルッとその瞳から逃れて葉やコケが生い茂る廃れたビルに目を向けた。あそこが悪魔のアジトだ。ニオイと気配が充満していた。
「居やがんなぁ」
時雨が呟くと同時に私は少し前に出て刀を抜いた。ひと振りすると大量の氷の刃が浮かび上がり対峙する。アジトから悪魔の攻撃が襲ってきた。
「てめぇっ」
「黙って。」
悪魔の翼から作り出された闇の刃は氷の刃によって全て防がれた。それを見て時雨が顔をひきつらせると同時に私を睨み付けた。どうせ、美味しいところを持っていきやがってとか思っているのだろう。
しかしこれで確定だ。
悪魔のアジトは見つかった。あとは首領をあらいだし雑魚を全て殲滅するだけだ。
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