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「ぐうううっ」
「私のこと、喰べられなくて残念ね。」
急激に距離を縮めた私は刀を翻して手足を斬り落とし、突き刺さったままの翼を根から斬り刻んだ。
「ぐわぁあああっ!」
悪魔の悲痛な叫びが上がる。同時に血が吹き出した。心臓に刀を突き刺し、最後に首を斬り落とした。
今まで散々人間を食べたのだ、このときくらい苦しんで死ねばいい__そう思った。
「__完了。」
カチンと刀をしまうと悪魔はパンッと弾けて散った。ビチャビチャと血の雨が降った。氷は溶けて消えた。流されるように血も消えていく。
これで綺麗になった。
ふぅと空気を吸って時雨の方を見ると丁度最後の悪魔を倒したところだった。真っ赤に燃えた刀をひと振りして鞘にしまったのが分かった。
「終わったか」
「ええ、もちろん。で、どうする?」
「あ?チッ、一応確認すんぞ」
私たちは先ほどまで悪魔の潜伏場所だった廃れたビルを見つめた。
正直もう帰りたいが報告をしなければならない。それにこれからこの街を建て直していくのに悪魔が残っていてはできなくなってしまう。
そう思いアジトへと足を踏み入れた。
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