しとり雨の如く

プロローグ

む？

朝か。

目覚ましをとめて、体を起こす。

また(・・)見てしまった。

カーテンを開けて朝日を浴びて重い体を起こさせて出勤準備する。
先日、自分へのご褒美でよく寝れるマットレスを買ったのがいけないのかまだ眠りを欲してしまった。
どこがスッキリ眠れるマットレスだ。
眠りすぎて、布団から離れ難い。

まだすっきりしない頭を抱え、とりあえずヤカンに水を注ぐ。
ガスコンロの火を眺めつつ、歯磨き。
ペパードリップをセットしつつ、着替える。
その頃にはお湯ができてるので、コーヒー粉をすり切り3杯。
朝のおまじないをかける。

「幸せになーれ」

コーヒー粉を蒸らしている30秒間は必ず人と自分の幸せを願うことにしている。
恋愛なんてもうしないと決めたけど、
とりあえず、世界人類と私の幸せを祈る時間くらい作ることにしてる。

蒸らし終わると、また慌ただしく化粧しながらコーヒードリップして、髪セットして、ドリップしての慌ただしさ。

マイ水筒にコーヒーを入れてバタバタと玄関を出ていく。