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プロローグ
「ごめん」
ごめんって何が?
御免ください。御免こうむる。的な何かですか?
夜中の星空は寒々として空気まで凍る。
呼吸一つが白く跡を残し、肺へ新しい酸素を送り込む。
澄んだ新鮮な空気は胸に刺すほど冷たかった。
人気もない静かな公園の電灯は辺りを照らしてるけど、公園の隅の方は暗くて不気味に樹々が佇んでる。
電灯より月明かりの方がよっぽど明るい。
満月の夜ならなおさらだ。
隣に座る幼馴染みの和紀は申し訳そうに上目遣いでこちらを伺っていた。
寒くて眠気もぶっ飛ぶこの凍てつく空気の中、なんで、和紀は眉を潜めてるんだろう。
んで、ごめんってなにが?
午前2時16秒
それは起こった。
ジリリリリリリリリー
ちょ、うるさい
ジリリリリリリリリリリリリー
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