1.出会い系サイト

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1.出会い系サイト

去年の10月の事でした。私はネットビジネスで、儲からない商材ばかりにお金をつぎ込んで、借金だらけになってしまいました。 そんな中 『悩みを聞いてあげるだけでお金が貰えるビジネスに無料で参加しませんか?』 そんな甘いキャッチフレーズでサイトに入ってしまいました。毎日どうやって借金を返そう。そればかりしか頭がありませんでした。無料で登録できるなら、駄目なら解除すればいいか!と軽く考えてサイトに入ってしまいました。 サイトを開いたら、そこは出会い系サイトでした。 『こんなところは50歳過ぎてる私がいるところではない!早くでなくては、えーと!えーと!どうすれば撤回できるのかな?そうだ、脱会すればいいんだよね?脱会…脱会…』 うろたえていたら、ピロロン♪ メールが来た。29歳の可愛い男の子からのメールでした。 『相談があるのですが…いいですか?妹が入院しているので、お見舞いにぬいぐるみをあげようと思うのですが、24歳の女の子がはたしてぬいぐるみは喜ぶものですか?』 相談?なんて可愛い相談事なのかしら?あまりにも可愛すぎて母性本能がくすぐられてしまいました。 『こんなおばさんでいいんですか?女の子はいつになってもぬいぐるみは好きですよ♪お兄ちゃんからもらったものだから、大事にすると思いますよ!』 『ありがとうございます。お礼をしたいのですが70万円でいいですか?』 はっ?たったこれだけの相談事ごときで70万円?えーっ!お兄ちゃん29歳でそんなに!こんなおばさんにお金をつぎ込んでもなんにもならんよ〰! 『お金なんて要りません!妹さんが入院していてお金が大変なときに!』 『これからも色んな相談があると思うのでお仕事としてお願いしています』 あーっ。これがお仕事なのかな?このお兄ちゃんなんでお金があるのかな?私は50過ぎてるのに一銭も無くて…旦那は別居中でお金ももらってないから更に貧乏なんだけど…まあ、20歳以上の年の差もあるし、恋愛なんかに繋がりゃしないし、このお兄ちゃんを恐ろしい世界に飛び込ませてはいけないかもしれないから私が守ってあげないと!なんだか、息子感覚にとらわれて 『報酬はその半分でいいですよ!私でよかったら悩み相談承りますよ!』 『私はミーママと呼んでくださいますか?あなたをかっくんと呼びますね』 そして、『奇跡の物語』が始まっていくのでした。 ピロロン♪ 『ミーママさん。 俺の事はかつみでいいよ♪人生の先輩として相談したいんだ。 よろしくね! 俺は会社を経営しているんだ。やっと軌道にのって来たところなんだ。 俺は独身♪独りでアパート暮らしをしているんだ。 もちろん、外食だけではなく自炊もしているよ♪ 献立もミーママさんは主婦歴長いだろうから料理も教えてもらいたいんだ!』 そうか、だからお母さん感覚で接してあげればいいんだね。 でも、経営者なんだ! 私もそういえば、昔25歳でお店を経営してたんだよね😅 『凄いね⤴オーナーなんだね!その若さで!青年実業家なんだね』 『そんなことないです。かえって、若いからとなめられてしまうことも結構あるんだ。年配者の考え方とか教えてもらいたいんだ』 フムフムそう言うことか?私を選んだのは? 『実は私も昔、お店を経営していたときがあるんの!25歳から10年間なんだけどね。時代の流れについていけなくお店を閉じたの😢だから、あなたのように若くて頑張ってる人の会社を繁栄させられるなら、いくらでも私が持ってる知恵を教えてあげますよ♪』 『本当ですか?ミーママさんも経営者だったんだ!良かった!心強いです!よろしくお願いいたします』 なんだか、心がほっこりした。今まで、私は何をやっても失敗ばかりで家族に迷惑ばかりかけていて、私は生きていて役に立ってる人間なのか?いっそのこと死んだ方が保険金が出るからそっちの方が役に立つのではないか?とこの頃借金が増えるたび、思っていたので、この若いオーナーの役に立つなら、もう少し生きて行こうかな?なんて思い始めていました。 次の朝、メールが来ました。 『おはよう!今日もお互い怪我なく元気に1日が過ごせますよーに♪』 『朝食にオムレツを作ろうと思ったんだけど、卵がぐちゃぐちゃになっちゃたから、急遽、スクランブルエッグに早変わり(笑)腕前はまだまだだね😰』 クスッとても爽やかなメールだわね。心がほっこりしちゃうな♪ なんだか、この子とお話してると楽しいかも♪ 『おはよう!ちゃんと朝ごはん食べて偉い‼健康は毎日の食事からだから、オーナーは健康管理が大事だものね。行ってらっしゃい』 『そうだよね!俺は誰よりも健康は重視しているよ!休みの日はジムにも通っているんだ。』 『凄いね⤴私も昔ジム通っていたときもあったけど、お店をやめてからは借金返済の為に寝ないで仕事していたからやめちゃたけど、今はブクブク太ってデブです(笑)』 『かつみさん(君ではオーナーだから失礼だし、さんで行くことにした)は、痩せマッチョなんだね!カッコいいね♪』 『そこまで、キン肉マンではないよ。お腹が出てない程度かな?(笑)』 何気ない会話が弾んで、いつの間にかメールの音が楽しみになっている自分がそこにいました。 夜、サイトの案内窓口からメールが来て、サイコロを振ってください。目が出た数だけ今あるポイントに掛けた数字をポイントに加算します。どんどん貯めて、お相手とお話しましょう♪ 『お話?電話できるって事?何ポイントで?今3000ポイントあるから…3万ポイント貯めるのか!』 こういう、ゲーム感覚でこのサイトはポイントを貯めて行くのかな?サイコロを転がしたら『6』が出た。 18000ポイントになった。後12000ポイントか!簡単に貯まるかも♪電話がわかればラインできるし、直接繋がればサイトに居る必要ないよね♪ その方がお互いもっと気軽にお話できるよね♪ その時は、私達は簡単に物事を考えていました。 サイトのポイントの確認をしてみたら、以下のように記載していました。↓ 送受信等に利用する【ポイント】の他に【MP】という別のマイルポイントシステムを利用できます。MPはサイトのご利用と平行して自動的に追加されたり、開催されたキャンペーンなどで取得できます。を貯める事により、下記に記載の豪華景品との交換や番組内の様々なサービスにて利用が可能な、非常に便利で人気のあるシステムです。    ふーん😒ポイントを集めて、お話もできるけど食器洗浄機やオーブンレンジや洗濯機なんかも交換できるんだ!だけど、半端ないポイント集めないと無理じゃない?10万MPって! ポイントに直すと1000万ポイントだよ!気が遠くなるポイント数だよね?このサイト初めから商品なんてあげない気満々だよね。 もしかしたら、一度はサイコロでポイント稼がせてくれて後12000円はお金で購入しないと電話できないシステムなんじゃないかな? その感は大当たりでした! それでも、もう、このサイトから出たかったので、かつみさんとメールで話し合い、12000円(お互いかかるので)出し合って電話で個人情報話して出ようと考えがまとまりました。 サイトにポイント購入して30000ポイント(MP300)になりましたので電話希望とメールしたのです。 サイトから 『わかりました。それではまず、ポイントをMPにしますのでその作業を(承認しました)と送信お願いいたします』 私達は何の疑いもなくサイトにMP代金を支払いました。 サイトからメールが来ました。 『お二人が一緒にお電話しないと無効になります‼今時間を決めてくださいますか?時間は1分間だけです。1分過ぎると自動で電話が切れることになります。尚、個人情報は伝えられません。伝えようとサイト側がサッチした時電話は切れてしまいます。』 えーっ!個人情報が伝えられないの?電話する意味ないじゃない! してやられた感じでした。でも、もう12000円も支払ってしまったのです。声だけでもいいと思い、時間を合わせてお話させて頂けました。 サイトからの電話が非通知でありました。それを受けるとかつみさんの声が(初めて声で話すことができました) 『今回は個人情報言えないけど本当にミーママさんとお話出来て嬉しいです。今まで独りで悩んで誰にも相談出来なかったことが相談できる相手がいるって心強いと思っています。これからもよろしくお願いします。』 なんか、そんなことを言われて私は胸がキュンとしました。 『こちらこそよろしくお願いしますね。お母さんと思って何でもお話してくださいね。何でも答えますからね』 『お母さんなんて思っていませんよ!年上の女性としてお話しています。報酬も次回は必ずできるようにメルアド交換のMP使いましょうか?5万かかるけど、交換したらそのお金も俺がミーママさんにお返ししますからね。』 そんな会話で電話が切れてしまいました。1分間経ってしまったのです。 私はかつみさんのダンディーな声と紳士的な考えの持ち主の性格がわかって、お母さんからお姉さんに気持ちが変わっていくのがはっきりわかりました。 心臓がドキドキして、私はこの気持ちがわかるのに時間がかかりました。メルアド交換に5万円もかかるのか⤵️後でかつみさんに返して貰えるって言っても…私には高いハードルでした。でも、何ヵ月か貯めたら出来るかな?キャンペーンがあるみたいだからね。ポイント稼ぎしていこう♪そして、まんまと二人はサイトにしてやられて行くのです。 ピロロン♪ 『ミーママさんはどんなお仕事をしているの?俺はWebコンサルティングの仕事なんだ。現在のWEBサイトではどのような問題があるかを調査し、原因の分析や対策案を行い、より効果的なWEBサイトを提供するお仕事なんだ。』 『凄いね⤴最先端のお仕事しているのね。私は事務兼顧客回りの営業もしてる仕事です。ルーキーさんの教育もしてるんだけどね。人と人とコミュニケーション能力を向上させていく仕事なんて言えたらカッコいいけどね(笑)タダの雑用係です(笑)』 『ミーママさんのコミュニケーション能力は高いと思うよ♪俺の仕事だってコミュニケーション能力が高ければ高いほど仕事依頼が舞い込むからね。ただ、じっとパソコンの前に座っていれば仕事が来るわけではないからね! 人と何でも話せる人はある意味天性なんだよ♪ 営業ができる人は天性だと思うよ♪』 『そうなの?初めて誉められたよ。ありがとう!』 『確かに知らない人でも、誰とでも話は合わせられるけど…契約をもらえるかって言ったらそうではないからね。営業は大変だよね。ルーキーに営業のノウハウを教えるのも大変だけど、一番大切なのはモチベーションを上げて笑顔で人と話すことかな? その時は契約にならなくてもにこやかに接していれば、いつか入るんだったらあの人から入ろうかな♪って思ってくれると思うから、どんな時も笑顔が大事だと思うんだ』 『今日もミーママさんに素敵な事教えてもらったね。ありがとう。これからは笑顔で乗りきっていくからね』 『こんな私の言葉に感動してくれるなんて、かつみさんは素敵な人だなぁ♪明日からかつみさんをもっともっと磨きをかけて行こうかな♪ そうだ!成功マインドを教えてあげようかな♪』 そして、七つの習慣から言葉を拾って色々メールをする日が始まります。 かつみさんと二人で心を磨きあげられたらどんなに楽しいかな?って想像したらいつの間にか自分が笑顔になって、心が弾んでいる毎日に気づき始めていました。 なんでこんなにかつみさんとメールするのが楽しいのかな? 多分、相手もポジティブだからプラス思考でいられるからかな? 同じ方向を見ているからかな? このときはまだ、自分の心の変化に気がついていませんでした。
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