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おっ、おしあわせに!(苦笑い)
どれほど、時間がたっただろうか。
女の子は泣き止んでいた。
いつまでも抱きしめているわけにはいかない。
「ねえ、君に一つ聞きたいことがあるの」
男の子が身を離す前に、女の子が言った。
「何?」
「どうして、君の口元から、お父さんのにおいがするのかな」
男の子がびくりと硬直する。
部屋の外で待機していたお父さんも、同じように硬直する。
「なんで、お父さんの仁丹臭と加齢臭が、君の口元からするのかな」
一切の光を拒否した、真っ黒な瞳で男の子を見る女の子。
助けを求めるように、ロボ埼を見る男の子。
われ関せずというように、スリープモードのロボ埼。
「とりあえず、ちょっと、落ち着こう。ね、えーと」
そういえば、まだ、女の子の名前を知らないことに気付いた。
「落ち着いて、ロボ埼さんの中の人」
この後めちゃくちゃ修羅場った。
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