ひまわり

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自分の場所もわからずキョロキョロしていると、声をかけられた。 「三人四脚の子?」 笑顔が眩しい女の人がいた。体操着のゼッケンを見て、三年生だとわかった。 「はい、そうです」 少し震えながら答えた。 「何番目に走るか覚えてる?」 「えっと、3番目です」 「んじゃ、私と一緒だ」 ニコッと笑って、手を差し出してきた。握り返せば、引っ張られる。 頭に付けてあるらしいひまわりが揺れる。 「連れてきたよ」 待機場所に2年生がいた。この人も、頭にひまわりを乗せている。 「走るの得意?」 「そこまで」 「じゃあ、真ん中にしよう。ちょっと練習しようか」 背のいちばん低い私が真ん中になることで、歩幅を合わせてくれるらしい。 「1位とか気にしなくていいからね?落ち着いてコケないように行こう」 優しくお話をしてくれて、私の緊張が段々とほぐれていく。
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