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29. 約束
「所長!うな重がワイロですよね?私、食べちゃたし。
終わった事にぐだぐだ言うような女じゃないし!
わかりました。
奥様にも、本社にも誰にも言いませんよ!
ただ、二度と奥様を泣かすような事はしないでほしいのです。
約束してくれますか?」
「約束するよ!二度と浮気はしない。
女の勘の鋭い事は見に染みてわかったよ。
浮気は覚悟できる男じゃないとしてはいけないって事がわかったよ!」
「でも、今日は久しぶりの中西さんを見てグラッと来ちゃいましたよね?
帰りの階段で抱き合ってキスしちゃたでしょ?
あそこも防犯カメラ無いもんね」
どうしてわかったんだって言う顔をして、私から目を反らした。
「所長。わきが甘いんですよ!
ほら!
ネクタイ👔に中西さんの口紅💋がついちゃってますよ!
奥さまに選んでもらったネクタイでしょ?
クリーニング店で染み抜きしないと!
いつものクリーニング店では駄目ですよ!
知らないところで出してくださいね。
知ってる所だと噂されちゃいますよ」
「えっ。あっ!本当だ!岡野さんには参ったな。
何もかもバレバレだったんだ。
岡野さんの旦那さんも単身赴任だったよね。
妻がこんなに厳しいと浮気は出来ないね」
「それはどうでしょう?怖くて帰って来られないのかな?もう、半年は帰って来ませんよ」
「えっ。半年?それじゃ、岡野さんは寂しいね」
「いえ!慣れましたから!」
うな重も美味しく食べてそろそろ時間です。
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