悲恋の輝き

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 だって私は、幸せの絶頂にいるふたりの何もかもを、気持ちとは裏腹の輝きを放ちながら、一番近くで見届けなければならないのです。  穏やかに朝の挨拶をする姿も。仲良く食卓を囲む姿も。余計なものは全部脱ぎ捨てて、熱いキスを何度も交わし、お互いを愛撫する姿さえも。  気が狂いそうな嫉妬心から解放される唯一の時間は、ふたりがお風呂に入っているときでした。奥さんが落としそうだと怖がるので、入浴中だけは外して、アクセサリーボックスへ入れられるのです。 「ねえ」  薄暗いアクセサリーボックスの中で、誰かの声がしました。  よく見ると、すぐ隣で私と同じように輝いているものがあります。奥さんの薬指に付けられている子です。 「あんた、あの男が好きなわけ?」  単刀直入に尋ねられ、私は狼狽してしまいました。どうやら彼女は、なかなかヤンチャな姐さんタイプのようです。
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