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告白
ワイシャツの袖から覗く、男性の血管の浮いた腕フェチ。
特別お洒落である必要はない、寧ろ「メガネのイラストを描いてください」という問題の模範解答のような、最もシンプルな黒縁のそれを特に好むメガネフェチ。
鼻を押し付けたくなる衝動に駆られる、つむじ辺りの独特な臭みフェチ。
etc...
この世に数多ある様々な「フェチズム」は、SNSの発展に伴うマイノリティの声の巨大化によって、今日では市民権を得ている。
今では「変人に見られたい」という自己顕示欲からか、「ファッションフェチ」なるものも横行し、またそれを取り締まる「ファッションフェチ警察」なるものも横行しており、「ファッションではない」と否認するファッションフェチ容疑者と「いやファッションだろ」と白状を促すファッションフェチ刑事が日夜あちらこちらで拳を奮い合っている。
私はその光景を「我関せず」の態度で見ている。
決して冷ややかな目で見ているわけではない。寧ろ羨ましく思っている。それは、私がそのような世間とは関係できない、独自のフェチズムを持っており、それを告白してしまえは、余りの独自性のせいで「ファッション」とも思われず、ただ周囲をドン引きさせてしまうからだ。
このような辺境の小説投稿サイト(運営の皆さまを否定するわけではない。)なら誰も見ていないだろうと思いここでだけ告白するが、
私は、「生きフェチ」なのだ。
誰かが読んでいるならば、眉を潜めるだろう。「『生きフェチ』?なんじゃそりゃあ」
と決して好意的ではないリアクションをするだろう。
「生きフェチ」とは、「生きているものに対して他のフェチ所有者同様の感覚で『興奮する』フェチズム」なのだ。
この小説では、私の「生きフェチ」について独白してゆこうと思う。
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