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まさか、果てる時の言葉が『馬鹿』とは。
ルドーニは不謹慎とは思いつつ、新鮮さを感じていた。
口の中に、ヴァフィラの味がいっぱいに広がる。
さらりとした、甘露が喉を通ってゆく。
「ごちそうさま♪」
「ホントに……、馬鹿だ……。お前は、大馬鹿者だ……」
「その大馬鹿者をちゃんと見て、ヴァフィラ。見ての通り、ぴんぴんしてる。死んじゃいねえ」
その言葉に、ヴァフィラはそろそろとルドーニの頬に手のひらを当てた。
温かい。
瞳を覗き込んだ。
光を宿している。
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