三話 [裏切り者]

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21XX年1月2日PM3:15 秘密基地 会議室 「…僕、個人のスパイになって欲しい!」 「スパイ!?」 全員が驚く 「そう、スパイ。 どうやら同盟を結んだ純血達や、 絶対の信頼を誇るハーフ組織、 そして、僕が属するE.D.Oの中に裏切り者が存在し、 あの映像の彼のような新たな鬼を生み出そうと…いや、 生み出してしまった者が居る…」 カナタは真っ直ぐな目で全員に告げる 「裏切り者ですか… それは許せませんね」 ノゾミが拳を握る 「…誰が裏切り者なのかを確かめる為にも、 皆に力を借りたい。 君達にしか出来ない事なんだ。 凄く期待を込めながら提案してるんだけど… 頼めるかな?」 カナタの頼みにクイナは 「私…なんでもするよパパ。 遠慮なく何でも言って!」と 真っ直ぐな目で伝える するとカナタは 「クイナ、ありがとう。 すごく頼もしいよ。 なんども聞くけど皆はどうかな?」 カナタの問いかけに戸惑いながらも 各々と頷き承諾した しかし 「みんな、本当にありがとう。 でも、甘いな」 カナタは突然に意味深な発言をする 「どういう意味ですか?」 ミクが問いた 「わからない? 裏切りってどういう意味かな?」 カナタは聞き返す 「それは、例えば今で言うなら、 自分は同じ意志を持つ仲間だと信じ込ませ、 水面下で悪さをしていた。でしょうか」 ミクが返す すると急にカナタは不敵な笑みを浮かべ 「大正解。だから?」と不気味に問いかけた 「す、すいません。意図がわかりかねます…」 ノゾミがカナタに恐怖心を抱いてしまう 「パパ?急にどうしたの?」 クイナも突然な事に怖くなる 「俺も弘前さんの今の言動の意味がわかりません!」 シュートは席を立ち声を張った カナタは何故か何を言われても何も返さなくなった 「……」 ラエルも何が起こっているのか理解出来ないでいた しばらく沈黙は続き 痺れを切らしたゲンキがゆっくりと立ち上がり 「なんでわかんないの?」と皆に問いかけた すると皆は更に困惑し黙り込む ゲンキはため息をつきながら説明を始めた 「弘前さんは僕らに純血・E.D.O・ハーフメンバーの中に裏切り者が居ると話した。 どこから来た情報かは定かじゃないし、 その情報すら本当か誰にもわからなくね? 誰かが嘘ついてる可能性もあるし、 生でおかしな言動を見た者が居るかもしれない。けど、確かな証拠は無い」 「どういう意味? 端から裏切り者は居なかったって事? 嘘って何?パパが嘘つきって事?」 クイナが問う 「なるほど…盲点だった」 ミクは頭を抱えながら机にうずくまる 「ミクちゃんは何かわかったの? 俺にはさっぱりだよ…」 シュートはイマイチ状況を掴めていなかった 「私も全くわかりません…ミクさん! どうか勿体ぶらずに教えてください!」 「ノゾミっち。つまりな、 弘前さんもその裏切り者リストの中に入ってるって事。嘘つきの可能性もあるって事。 つまり、僕達を試したんだよ」 「!?」 ゲンキの話しを聞いたシュート・ノゾミ・クイナが驚く 「大正解。ゲンキくん、おみごと」 ずっと黙ってたカナタが口を開きゲンキを褒めた
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