三話 [裏切り者]

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21XX年1月2日PM3:30 秘密基地 会議室 カナタが急に意味深な発言をした事によって 空気はもっと悪くなり沈黙が続いたが ゲンキの観察力でカナタが皆を試した事が明らかになった カナタは全員に再び席につかせ話しを続けた 「突然ごめんね。 だけど大事な事だったんだ。 勝手な事を許して欲しい。 絶対の信頼というのは最も怖い事なんだ。 この人は絶対に違うと自分の犯人像から離してしまうと相手の思うツボ。 全てがその瞬間から終わってしまうんだ。 …皆にはこれから疑いの目と広い視野を持って共に考え行動して欲しいんだ」 全員に訴えかける すると それに対しノゾミが反論する 「お言葉ですが弘前氏、 そうなると我々の中にも裏切り者が居る可能性もあるって事ですよね。 だとすれば、 誰を信用して誰を疑えばいい私にはかわかりません」 敬礼しながらも不安な表情を浮かべていた 「そうだね。 確かに僕が言いたい事の裏には、 この中に裏切り者が居る可能性は高いって思って欲しいね。 …だけど安心して欲しい。 僕が仮に裏切り者では無かったと仮定してほしい。 2年ほど前からクォーターな君達と、 ハーフのノゾミちゃんやラエルをどうしようかとE.D.Oとハーフ組織で話し合った事があるんだ。 その頃から僕は上から君達を監視するよう命じられ監視するようになった。 すごく悪いと思ってる。 …だけど君達がどんな行動を取るかが重要だった。 すると…監視を始めた1年後にあの映像のような変死体事件が起きた。 まず初めにE.D.Oは君達を真っ先に疑った。 あの映像には普通の人間には不可能と判断し、 鬼の力が引き起こした物だと推定された。 そして何よりクォーターの君達の能力は把握しきれていない事から疑いの目を持たれてしまったんだ。 しかし、 君たち全員にはもちろん、 アリバイがちゃんとあった。 それは僕が保証する。 ……よって君達は犯人でも無ければ、 裏切り者でも無い。 ていうか、 君達があんな残酷な事が出来るわけが無い… ずっと見ていた僕が言うんだ間違えないよ」 目には涙が溜まっていた カナタの話に全員が安心する そしてメンバー全員が心の中でカナタが裏切り者のはずがないと確信していた しかし 「ここからが重要なんだけど、 僕はある疑問を抱くんだ。 君達を庇いアリバイを証明しても尚、 上の者から未だに見張れと命令が下る。 いくら君達の事を白だと言っても決して認めなかった。 証拠だって山ほど提出したし、 君達がどんな子かも必死で伝えた。 それでも聞き耳すら立ててもらえずだった… 明らかに犯人は君達だと言わんばかりの態度。 流石に我慢できなかった… だから僕は上の者達にある提案をした。 君達を僕が預かり必ず裏切り者を見つけだし、 この子達が白だという徹底的証拠を叩きつます!と。 …すると意外にもすんなりと通った。 しかしある条件付きで。 君達を監視し尚且つE.D.Oとハーフ組織の傘下に入り忠実に従い駒となれと命じられた。 全ての条件を受け入れる事で君達への疑いは一旦保留になった。 …だけど僕は君達をこのままただの駒にはさせない。 僕の本当の目的は本物の裏切り者を暴き、 君達の無実を証明し、 E.D.Oとハーフ組織を一掃し、 元凶を断つ事…!」 メンバー全員は覚悟を決めてビシッと背筋を伸ばしカナタの話をしっかりと聞いていた 「まずは、変死体の調査と、 裏切り者の調査を開始したい! そもそも裏切り者が本当に居るかはわからない。 出来れば居ないで欲しい… けど、E.D.Oは明らかにおかしいし何かを隠している。 ハーフ組織も何かを隠しているような気がするんだ… 純血達にも最近 不可解な事が相次いでいる。 一刻も早く真相を暴き、 この街を平和にしよう。 その為にも皆には頑張って貰いたい! 凄く大変で過酷かもしれない、 それと僕は何より皆を信じてる…! 例え組織を敵に回しても僕だけは皆の味方だから。忘れないで欲しい。 君達なら出来る!…健闘を祈る」 カナタは敬意を払い敬礼 全員「...!」 起立し敬礼
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