一話 [集い]

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一話 [集い]

21XX年1月2日AM10:00 弘前家 お正月を満喫していた家族の前に長女クイナが話し出す 「私ね、パパとママと一緒に働きたい」 それに対し父のカナタは一瞬 微笑むが 「クイナ、僕達の仕事は今、 前みたいにはいかなくなっているんだよ。 とても危険なんだ」 否定した それに対してクイナは 「私は17の時に鬼化したんだよ? 即戦力でしょ?」 食い下がらない しかし母のキヨカは 「クーちゃん、 いくら鬼化してても今の反逆者の鬼達は、 私たちより遥かに力をつけてる。 パパが言った通りとても危険よ」 説得する それ対してクイナは黙った すると長男のケイヤが 「姉さんは強いと思う。 だけどやっぱり、 ママたちの仕事ぶりを目の当たりしてると、 凄く危険だってのはわかる」 両親の意見に納得していた 「そんな…私だって役に立ちたいよ……」 下を向き今にでも泣きそうだ 「だけどね、 だからこそクォーターの姉さんの力は必要だと思う」 ケイヤは立ち上がり両親に意見した それに対しカナタは 「どういう意味だい?」 「俺ね、 姉さんを実験体にして色々と研究したんだ。 純血やハーフ達と違って能力数は低いし、 一つしか能力は持てない。 でもね、 その一つの能力だからこそ、 無限の可能性が秘められてると思うんだ」 ケイヤは目を輝かせながら説明する しかしそれを聞いていたキヨカは 「ケーちゃん…実験て何?」 ケイヤの前に立ち聞く 「ごめん…姉さんに無理を言って色々と」 下を向く 「ケーちゃん、 あなたの頭が良いのは私が一番 知ってる、 だけどそれは将来の為に役立てなさいと何回 言ってると思う?」 説教が始まる すると 「ママ!今は私の事でしょ!」 クイナが怒る 「クーちゃんちょっと待って! 今はケーちゃんと話さないと」 クイナの話は聞かずケイヤと話し始めた 素っ気ないキヨカの態度にクイナは 「もういいよ! ママとパパなんか知らない! ずっとケイヤだけを見てればいいじゃん!」 怒鳴ると家を飛び出していった 「クーちゃん…」 キヨカは出て行った方向を眺めていた 「僕が行ってくるよ。 ついでに事務所に行ってくるから」 そう言うとカナタはクイナを追いかけるように家を出てた 「ママ、俺も出掛けてくるよ」 ケイヤも外に出て行った キヨカは楽しく過ごしていたお正月が終わった気がして寂しく思っていた 「せっかくのお休みなのに… やっと家族全員が集まれたのに」 ソファにもたれかかって泣きそうな自分を必死で抑えていた そして 首に掛けてあったペンダントを取り出し眺めていて ゆっくりと開くとそこに七人が写る写真が入っておりキヨカは目に涙を溜めながら見つめていた
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