三話 [裏切り者]

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21XX年2月1日AM9:30 E.D.O 運動場施設 体育館 運動場施設に辿り着き体育館へ向かうと 体育館入口の扉の前にカナタが立っていて皆を待っていた メンバー達はカナタの前へ到着すると 初めは真剣な表情で皆を見つめていたが 次第に笑顔に変わり一言ずつ言葉を送り始めた 「ミクちゃん、 君はこのチームに必要不可欠だ。 このチームの頭になり先導して欲しい」 ミクは大きく頷き敬礼した 「シュートくん、 君の優しすぎる性格は時には仇となる。 しかし、 いつまでもその良心を忘れないで欲しい。 このチームをいつまでも暖かく包んでね」 シュートも大きく頷き敬礼した 「ゲンキくん、 君の上からの物言い、僕は好きだよ。 誰にも縛られず真っ直ぐに生きて欲しい。 このチームには君のような人が必要だ」 ゲンキは照れ隠しなのか違う方向を向いていた 「ノゾミちゃん、 君の真面目さは欠点でもある。 世の中は理不尽だらけだ。 しかし、だからこそ、これからの未来に、 その真面目さは必ず必要になる。 欠点なんか利点に変えちゃえばいいんだ。 このチームを頼んだよ」 ノゾミは目に涙を浮かべ敬礼した 「ラエル…ありがとう。 君と出会えて本当に良かった。 このチームをクイナを守って欲しい。 君は一人じゃないよ」 ラエルは我慢出来ずに涙を零しカナタに抱きついた 「よしよし、大丈夫だよ。 何があっても僕と皆が味方だから。 もう二度とラエルを一人にはしないから」 ラエルを抱きしめ返し慰めた そしてカナタは ラエルを離しクイナに近付いた 「クイナ、 こんな事に巻き込んで申し訳ない… 普通の子に産んであげられなくってごめん。 だけど…クイナが僕の子で本当に良かった。 このチームに呼んで正解だった。 頼んだよクイナ。必ず裏切り者を見つけ、 世界を救って欲しい!」 カナタは泣くのを我慢し下を向き目を擦っていた 「大丈夫だよパパ。 私はパパとママの子で後悔した事なんか1回も無いよ? むしろ毎日 退屈しなかった! それにパパが充分に愛を注いでくれたから、 私は今まで幸せに生きてくこれた。 …頑張るよ、私。必ず元凶を突き止めるから。 任せてパパ!」 カナタに抱きついた こうしてカナタからメンバー全員へ言葉を送り終わると全員の表情がガラッと変わり カナタは皆へ真剣な表情で「頼んだ」と 一言 発し扉を開く すると中には大勢の人達が待ち構えており 偉そうにしてる者達が中心に その周りに膝をついてる者達が居た 中心部に居る者達は数十人おり その中でもセンターで仁王立ちしてる大人がこちらを殺意の目で睨めつけていた TwinQuarters達は一瞬躊躇(ちゅうちょ)したが カナタの言葉を思い出し 力強く一歩を踏みしめて前へ進み 偉そうにする者たちの前へ立つ するとカナタが中心部に向かい 仁王立ちしていた人の前に立ち すかさず膝をつき挨拶していた 「キング、遅くなり申し訳ありません。 私が発足したTwinQuarters達です。 以後お見知りおきを」 仁王立ちしてる者の正体は 十年くらい前に金と権力をフルに使いE.D.Oを乗っ取りキングとなった金剛アキラ(45)だ 誰も彼には刃向かえず従う他なかった 唯一刃向かったのは当時トップを務めていた ノゾミの父でもある杉田レンとカナタだった しかし キングは周りを買収しレンとカナタに濡れ衣を着せE.D.Oを追い出そうするが レンとカナタはE.D.Oにとって あまりにも大きな存在にキングの思い通りには中々いかなかった するとキングは鬼であるレンの妻を人質に取り レンとカナタを脅し このままだとE.D.Oの存続や善良な鬼達が危ないと踏み 一旦キングの仰せのままに従う事にしたのだ 今回はそんなキングから下されされた提案に付き合わせられたのだ すると メンバー達を呼び出した理由をキングの口から告げられる 「今日お前達を呼んだのは他でもない。 たった今から我の下々達に処刑されるのだ。 この世に鬼や鬼の血を持つ物は一匹たりとも許さない。 残念ながら今日はお前達の命日だ。 悪く思うな。憎むなら鬼の血を引く両親達を憎むんだな。…やれ」 キングがそう言うと6人の家来達がそれぞれに武器を持ち メンバー達の前へ立ちはだかる するとカナタは 「キング!こんな話は聞いておりません! 私はこの子達の無罪を主張する為の試験だと、 おっしゃられたので従ったままです! こうなると話は変わって来ます…!」 キングの前にして膝をつくのを辞め 立ち上がり訴えた しかしキングには何も入ってこない 「黙れ!どうせ数々の変死体事件の犯人はこいつらに決まっている! 例えこいつらで無くとも鬼の血を決して許さん!死刑だ!!!!!!」 メンバー達に指を差し叫んだ そして 家来達6人がメンバー達へ襲いかかる…
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