三話 [裏切り者]

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21XX年2月1日AM10:10 都内某所 住宅地 TwinQuarters達が着く頃には変死体の気配は無く何ヶ所かの建物は崩れており周辺からは異臭が漂い見渡す限り何十人もの人達が悲惨な死を遂げていた… 「遅かった…くそっ!」 シュートが悔やむ もちろんメンバー全員が悔やんでいる カナタもあまりにも悔しくって拳を強く握りしめ手の平からは血が流れ地面へとポタポタと落ちる メンバー達は覚悟してたとはいえ いざ現実を目の前にすると腰が引けてしまい ただ見てる事しか出来なかった… するとそこに 遠くから車のエンジン音が聞こえ だんだんと近付いて来る そして 近くにリムジンが止まりドアが開くと 「あんなにイキって飛び出して行ったのに、 このザマか。鬼の血を引いていても無力だな。 それか、貴様らの自作自演か?」 キングが嫌味のように薄気味笑いしながらメンバー達の近くに寄ってくる メンバー達は何も言い返せずに奥歯を強く噛む事しか出来なかった… しかし カナタは上司らしくメンバー達に指示をする 「悔しむのは後だ。 ミクとシュートは生存確認をし生きてる人は直ちに病院へ、 それとクイナとゲンキとノゾミは近辺で目撃者が居ないか聞き込みを。ついでに捜査も頼む。 ラエルは救急車が通行止めにならないように邪魔な瓦礫(がれき)達を運んで欲しい。 …それぞれ頼んだ!僕は変死体の足取りを追う!」 「了解!!!!」 メンバー達は返事をすると それぞれの仕事へ向かった すると後ろからキングが近付いて来て 「君…」とカナタを呼ぶ 「…なんでしょうかキング」 カナタは膝を付かないどころかキングの顔すら見なかった 「君はクビだ。 我に逆らった罪で死刑だよ。残念だ。 君程の優秀な人材を無くすのは惜しい。 けど、我に逆らう者には死をもって償ってもらう」 カナタに死刑を下す …しかし 「いつまで言ってんだ…」 カナタが小声で吐く 「あ?何か言ったか?」 圧をかけカナタへ聞き返す 「何も出来ない奴が気安く声をかけるな。 ...僕に命令を下していいのはハーフメンバーか家族。…それとレンさんだけだ。」 カナタは我慢の限界でキングに逆らい セリフを吐き捨てると前へ歩き出した すると… 「死ね」 キングは(ふところ)から小型ナイフを取り出し 前を歩くカナタを追いかけ 追いつくとなんの躊躇いもなく背中に向かって……… 刺し 抜いた ポタっ ポタっ 「クズだな…」 キングの顔を見る バタッ! そのまま倒れ背中から大量の血が流れる……
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