一話 [集い]

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21XX年1月2日AM10:45 川沿い 「力になりたいだけなのに…」 キヨカは川の近くに座り川の流れを見ていた するとそこに 「まだまだ寒いんだから上着くらい持っていきなさい」 カナタが現れ そう言うとクイナの肩に上着をかける 「パパ…」 羽織った上着を掴んだ 「…ママはさ、 本当にクイナを心配してるんだよ」 クイナの隣に座った 「わかってる… ママは一番に私達の事を考えてる。 …私が勝手に鬼化しても、 何も言わなかった。 すっごく嫌だったと思うし、 すごく怖いはずなのに」 下を向いた 「そうだね。 鬼化はさすがに僕も驚いた。 だけど、 鬼化したからって嫌わないし、 クイナを見損なったりしないよ? どんなクイナになろうと、 君は僕の娘だしママの子だよ。…おいで」 クイナの頭をそっと自分の胸元に寄せる 「…パパのこういうところに、 ママは惹かれたのかな」 嬉しそうにもたれかかりながら話した 「急にどうしたの…凄く照れじゃん」 少し顔を緩ませながら川を眺めていた しばらく沈黙は続き カナタの方から話しかける 「クイナ、もし良かったらさ、 今から僕と一緒に事務所に行かない?」 クイナを自分の体から離し立ち上がり問いた 「事務所?E.D.O?」 待ちたがるカナタを上目遣いしながら聞き返す 「うん。 実はE.D.Oで隠密にある計画を立てているんだ。 僕はそこにクイナをスカウトしたい」 下を向き上目遣いのクイナと目を合わせながら話す 「スカウト?私を?どうして!?」 凄く驚き動揺が隠せない 「いまここでは何も言えないんだ。 … 詳しい事は事務所に着いたら説明したいんだけど、どうかな?」 クイナに手を伸ばした するとクイナはカナタの手をじっと見つめてから次に顔を見ると直ぐにニコッと微笑み 「え、行きたい! パパと一緒に働けるの?」と 目をキラキラと輝かせながら返しカナタの手を掴む 「そっか。良かった。 でも残念ながらパパとは一緒に行動は出来ないんだ。パパと一緒じゃなきゃ嫌?」 クイナの手を握った 「ううん、少し残念だけど嫌じゃない。 それにパパが少しでも関わってるなら私は力になりたい!そして、 やっぱり説明を受けに行きたい!」 クイナは立ち上がった 「クイナは本当にいい子だね。 よし!行こっか!」 クイナの手を引っ張り無邪気に走り出した 「あっ、ちょっと、パパー? もう、そんなに急ぐならもっと早く言えばいいのにー!」 カナタに引っ張られながらも途中で手を繋ぎ 仲良く事務所へ向かった
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