四話 [コティア]

9/10
前へ
/124ページ
次へ
21XX年2月3日 AM10:00 ハーフアジト 珍しく朝早くに ハーフメンバー全員が揃っていた そして突然にマサトが話し出す 「決して、 E.D.Oには知られてはならない情報を入手した」 マサトはモニターに映像を映し出し話を続けた 「最初に起きた変死体事件、 この映像に実は続きが存在した。 ユメカが映像の切れ方に疑問を感じ、 分析した所、 一部に破損が見られ見事に復元に成功した。 …どこに裏切りがあるか分からないし、 確証とは言え無いままこれをE.D.Oに提出すのは危険と考えた」 マサトは説得した後 早送りし破損していた映像を再生した 「変死体が姿を消した後に、 しばらく見ていると…」 真剣に見入る 「ここ見て。 後ろの方に一人の若い女性が通りすぎる。 そして、通りすがり終えると……」 その映像には驚きの光景が映し出されていた 「おいおい…これってつまりは」 ハヤテが前のめりで映像に食いつく 映像には血だらけの現場の後ろを 一人の女性が通り過ぎると共に 血が消えていって綺麗な駐車場に戻っていた… 「皆が言いたい事はわかる。 この女性は少なくともこの事件の重要参考人で間違いない。 しかし、映像にも写ってるにも関わらず、 データベースに引っかからないんだ… 何度、顔を検出しても何も反応しない。 きっと、 この顔はフェイクで素顔を隠してる…? …あの大量の血を一瞬で消す時点で鬼の力の持ち主なのは間違いないと思う。 だけど…僕らが把握してる能力には無いものと判断した。よって彼女は...」 マサトは最後 言葉につまり強く拳を握りしめ 「よって彼女は今回の事件、 および変死体、全事件の元凶だと予想!」 メンバー全員が困惑する ハーフ組織にとって鬼や鬼の血を引く者は全て管理し把握しているもの 決して未確認な存在を認めたくないのだ ましてや変死体事件は裏切り者の仕業では無く 新たな人物つまりは部外者の仕業としても調査しなくてはならなくなった 更に事件は撹乱し 闇へと落ちていく… 今後ハーフ組織はどのような体制で行くのか どのように調査し元凶へ辿り着くのか ハーフメンバー達は深く話し合い 一つの仮説に辿り着く 「つまり… 本来なら元凶が現場に戻るって事は考えたにくい、 だとすれば仲間が存在し変死体に何かをし復活させ怪物にする者が存在するはず」 ユメカが話す 「だね。 だとした組織が存在するのかも。 ダークサイドって事かな?すごく厄介だ」 マサトが返す 「ふざけやがって…」 ハヤテは静かに苛立っていた 「だとしても、目的はなんだろ? 人間を鬼にして何をしようとしてる? …映像で変死体がカメラに向かって処すと言った事から人間に敵意を向いてるのはわかる。 でも、だったら、 この前の事の説明がつかない… 市民とE.D.Oの人間の死体の中に三体の純血の消された痕があった。 きっと市民を守ろうとしてくれたんだと思う」 マサトが冷静に話す 「確かに…説明がつかない。 人間だけなら仲間である純血をわざわざ殺さないよな…本当に目的はなんだ。 ていうか人間を鬼に出来るなら、 なんであの町に居た人達は鬼にならない?」 ユメカも冷静に考え話す 「怪物になるには何らかの条件が必要なのか? だとしても、どうやって見分ける? あーもう!訳わかんねぇ!!!! …どうやって元凶に辿り着けばいいんだよ! ムズすぎんだろうが……くそ」 ハヤテが荒れ始める 「当たり前だろ…凄く厄介あんこだ、ばか。 簡単だったらとっくに始末できとる」 ユメカが冷たく言う 「お前。案件な。笑」 ハヤテがユメカに近づきあざ笑っていた 「相変わらず、めでたいやつだな」 ユメカは呆れていた すると 「でもさ… こんな大事な映像の部分が都合良く破損なんてありえないよね? だとしたらやっぱり、 僕らの周辺に裏切り者は存在する事になるよね…」 マサトは真剣に話し出した 「あぁ…本当に水面下で動きたかったら、 カメラがある所なんて選ばない。 ましてや元凶であるあの女はわざわざ写りには来ないと思う。 たとえ顔を変えたとしても。 そんなリスクは避けるはずだ」 ユメカが話す 「こうなったら、 裏切り者を本気で割り出さないとだね…」 マサトが皆に向かって伝える 「だな…」 ハヤテとユメカが頷く 三人が話してた中 ずっと聞いてた残りのメンバーも三人の会話に納得していた そんな中 「ねぇ!そういえばケーちゃんは? 呼んだよね?」 キヨカがケイヤが居ない事に疑問を持ち問いた 「あーあいつは呼んでねぇ」 ハヤテが答える 「なんで!?」 キヨカが直ぐに聞き返す 「悪いが言えねぇ…」 ハヤテは拒否した 「どういう事? 僕には用事があると言ったよね?」 ハヤテの言動に疑問を持ちマサトも質問する 「いや、ちょっとな… もうちょっとだけ待って欲しい。 カナタとの約束なんだ。 頼む…察してくれ」 ハヤテが珍しく頭を下げた そんなハヤテの姿を見てしまうと 何も言えなくなってしまった…
/124ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加