六話 [正体]

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21XX年4月4日 AM2:00 大学病院 屋上 真夜中の病院の屋上でベンチにミク一人が座っていた 夜空を見ながら父のマサトが一刻も早く目が覚めるようにと入院してから毎日ここで祈っている 1ヶ月もの間ミクはE.D.OやTwinQuarters(ツインクォーターズ)の活動を一切 (おこな)ってはいなかった そんなミクを心配したある男が後ろから現れ 「ミクちゃん。寝ないの?」 隣に座る 「…弘前氏」 カナタが現れ話しかけるが ミクに元気は無い 「申し訳なかった… 僕はハーフメンバーが大変な時にそばに入れなかった。何も出来なかった…」 カナタは自分を責めていた 「弘前氏は何も… 私は現場に向かっていたのに、 間に合わなかった。 もっと早くたどり着いていたら、 間に合っていれば…」 ミクは悔しそうに強く拳を握る 「ミクちゃん…」 カナタもミクの気持ちがわかる為 これ以上なにを言ってあげればいいのか わからずに居た すると後ろから 「ミクは今すぐにでもチームに戻った方がいい。 このままだと何も出来ずに終わり後悔するよ」 ケイヤだった 「ケイヤ?こんな時間にどうした?」 カナタは息子が病院に来る理由を気にした 「喉乾いてキッチンに行ったら、 ちょうどパパが家を出たから気になって、 着いて来たんだ」 ケイヤはちゃんと説明した するとミクは 「弘前…私どうしたら…? 私がお父さんの仇をとればいいの?」 そうとう落ちていた 「そうだね。ミクは俺達と一緒に、 いや、TwinQuartersで元凶をあぶり出し、 全てを終わらせて欲しいね。 変死体の事やこれから起きる出来事も全部」 ケイヤは背後からミクに頼る言葉を伝える 「私には何も出来ない… あんな強いお父さんが命をかけなきゃ勝てない相手なんか、私達には無理だよ」 ミクは凄く弱気でいた そんなミクの気持ちを聞いたカナタは 「ミクちゃん。 申し訳ないんだけど僕はもう行くよ。 だけどね、決して君は弱くない。 鬼化だって未だだし、 もうすぐ誕生日じゃないか! これからだよ。ミクちゃん」 カナタは立ち上がり言葉を送るとミクの肩を軽く叩きケイヤの顔を見て頷くと屋上から去った カナタを見送ったケイヤはゆっくりとミクの隣に行き そっと座る しばらく沈黙は続きミクが口を開いた 「弘前…」 「なに?」 ケイヤは空を眺めていた 「私、ちゃんと攻撃型になれるかな?」 ミクは質問する 「ミクが望むなら。 鬼化はなりたい自分になれる。 能力は今現状に欲する力が宿ると俺は思うよ。 だから、お前が望むなら、その力を持てる。 残りの五体のニューデーモンをお前が倒せ。 そして、自信を持つんだ」 ケイヤはそう言うとミクの頭に手を乗せ見つめた そして 「お前は…俺が唯一認めた女なんだから」 ニコッと微笑み頭を撫でた そんな行動にミクも自然と笑顔になり 「似合わない」 手を払いつぶやいた 「うるさい」 ケイヤも笑いながらツッコム すると ミクは突然メガネを取り目を拭き そのままケイヤを見つめた 「…どうした?」 ケイヤはドキドキしながら問いた 「ありがとう。私、頑張るね。 おやすみなさい」 ミクはそう言うとニコッと笑い眼鏡をかけ 立ち上がり屋上を去った 「そんな顔すんなよ……」 ケイヤは照れていた
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