六話 [正体]

4/10
前へ
/124ページ
次へ
21XX年5月10日 AM11:30 都内某所 駐車場 ラエルは到着すると地面を嗅ぎ出し 周りをぐるぐると嗅ぎ回した 続いてクイナや残りのメンバーも到着し ラエルの不思議な行動に首を傾げていた だけど ラエルがここまで一人で行動するのは珍しく メンバー達も初めて見る光景だった それにゲンキが何かを見た事には間違えないと 思わせる行動をラエルが取っている為 ここはラエルを見守ることにした しばらくするとラエルは立ち上がり ゆっくりと上を向いた 空には鳥が数羽飛んでいるだけ すると…! 突然に空から首を無くした人間が降ってきて ラエルはあらかじめに来るとわかっていたように 自然に受け止めていた そして直ぐにラエルは 「え…ラエル?」 シュートは目を疑う 「なにしてんだよ、ラエル!」 ラエルの行動にゲンキは驚く 「…ラエルくん!」 ノゾミも目を疑う 「嘘でしょ…なんで」 クイナはゆっくりとラエルに近付く しかし 「やめろ!」と皆がクイナを止める 「離して!ラエルはそんな子じゃない!」 クイナは必死でラエルに近付こうとする ラエルはこの時 変死体を受け取ると直ぐに首の中に 手を突っ込んでいた… 「ちゃんと説明しろ!ラエル!!!!」 ゲンキはクイナを押さえながら問う しかしラエルは話せない それに何かに集中していてメンバー達に関心がなかった すると手を突っ込まれた変死体が急に ラエル腕の中で暴れ出す 変死体のこの動きは覚醒する前の準備みたいな行動だった だが今はラエルが押さえている それにラエルは未だに動かず ずっと腕を突っ込んでいる状態だった 変死体はしばらく暴れるが 次第に落ち着きピタっと止まっていた すると 再びラエルは上を向いた 「え、もしかして」 クイナは再び変死体が落ちてくるんじゃないかと気を張っていた 「ラエル…君はなにをしているんだ」 シュートは悲しそうにラエルを見ていた 「ラエルくん…」 ノゾミも心配そうに見ていた 「お前…後で覚えておけよ」 ゲンキはラエルを敵として見る覚悟を持っていた ラエルが上を見ていると 再び変死体が暴れ出した そして ラエルは右手を変死体に突っ込みながら 空に向かって構え出し変死体を背に隠した ラエルはゆっくりと足を曲げ腰を落とし 次の瞬間!驚きの行動に出る 流石に何か危険と感じたメンバー達はラエルの元へ走り出す メンバー全員 「ラエル!」 しかし… 走り出した先には居たはずの ラエルと変死体の姿が 消えていた……
/124ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加