七話 [シャドウ]

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時は遡りシャドウがまだ中学生の頃 平和な家族で幸せに暮らしていた日々 純血たちも大人しくそんなに事件は起きておらず本当に平和だった そんなある日 シャドウはいつも通りに学校から帰宅すると 一人の綺麗な女性が自宅に上がり込んでいて 「誰?」と母親に尋ねると 「お友達」と答えた シャドウはその答えに疑問を持つ 母親が言った友達とは掛け離れた態度をその友達は母親に向けていたのだ だが母親は何も気付いてない シャドウは一つ質問をしてみた 「どうやって友達になったの?」と すると母親はニコっとし 「同じ目的を持った者同士」と答えた シャドウはその言葉にゾッとした お人好しの母親は鈍感だが シャドウは真実の目を持っていて シャドウから見たその友達は 見た目は笑えど目の奥は死んでいて ニコニコと楽しそうに話すが 殺意の気配しかしていなかった このままだと何か取り返しのつかない事が起こると思ったシャドウは友達が帰るのをじっと待つ事にした しばらく時間が経つのを待っていると そろそろ帰ると言って友達は帰りの支度を始めた すると 玄関から妹と姉が帰宅する 妹はまだ幼く幼稚園に通っていて この日は姉が迎えに行っていた 帰ってきて早々に妹はお客さんに興奮し 見た目も美人な事から甘えに行った しかし 普段 温厚なシャドウが慌てて妹を抱きかかえ 自分の部屋まで連れて行った そんなシャドウに母親の友達は「思春期なのね」と言い家を出て行った 2階から帰宅するその友達を見ていたシャドウは 妹を姉に預け 後をつけることにした 後をつけて1時間以上が経った しかし一向に目的地に着かない事から もしかしから後をつけている事バレてると踏んで シャドウは思いきって話しかけてみた 「あの!あなたは誰?」 すると謎の女性はピタッと止まり ゆっくりとシャドウの方を向く 目と目が合い謎の女性はニコッとし シャドウを見つめていた シャドウはそんな笑顔には騙されず続けた 「僕のお母さんに何するつもりですか?」 何も知らない相手に普段なら失礼極まりないが 今回はシャドウも只者ではないと確信していた そんな謎の女性は微笑みから 不敵な笑みに変わりシャドウにこう告げた 「後、何年かすれば貴様の大切な人を一人、 貴様の目の前で処刑する。覚悟してろ」 見た目には相応しくない程の口調で シャドウにそう告げると謎の女性は姿を消した
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