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二十数年前
過去に鬼と呼ばれた数多くの殺人鬼達が野に放たれていた。
鬼たちは人間の血を欲し、
なりふり構わず人間を襲っていた。
しかし、
その鬼達は野良と呼ばれ血に飢えた者たちだった。
鬼達にはそれぞれ格差があり、
貴族と呼ばれる上級クラスの鬼達は高級な血と肉を欲し、
計画を練ってから隠密に人間を襲っていた。
初めは数人の被害から、
徐々に拡大し最終的には何万人と、
鬼達の手によって命を落とした…
だが、
現在の被害は一月およそ数人と、
二十数年前よりは遥かに被害は減っていた。
その理由とは、当時、
襲われていた区域は都会だけで収まっており、
更なる被害拡大を阻止した組織が存在していた。
鬼対策組織
E.D.O(Extermination Demon Organization)だ。
しかし、
知識はあれどE.D.Oだけの力じゃ鬼を殲滅することは叶わなかった…
だが、
そこに現れたのは鬼と人間の間に生まれた子供達、
ずばり鬼の力を持った8人(9人)のハーフ達であった。
鬼の中にも稀に知性を持ち、
心暖かい者達も存在し、
人間に恋をし愛を育み子供を授かった。
幸せな家庭を築こうとしていた矢先、
それを好まない貴族鬼は人間と暮らす仲間[鬼]を見つけては始末していった…
ハーフと呼ばれる鬼の力を持った者達は、
初めから力を使える訳では無かった。
力を使うには恐怖と復讐の底知れない強い意思が必要だった。
怒りが絶頂に達した頃に鬼化が始まり、
鬼化したハーフ達はそこで年齢が止まり、
体の成長が止まる。
つまり不老不死になる。
純血と呼ばれる鬼達も不老不死だが、
容姿は生みの親つまり初鬼が決めたと推測されている。
そもそも鬼はどうやって生まれたのか、
どうして人間達の血を欲し、
人間を襲うのかE.D.O達は調べた。
これは後にわかった事だが、
数百年前に平和になった世界が退屈になり、
貴族達が遊びで人間兵器を創るために、
人体実験を始め何百人と犠牲にしてきた。
そんなある日、
いつものように人体実験を行っていたが、
突然 複数人が同時に苦しみ初め、
城の中から悲鳴とうめき声が鳴り響き出した。
するとほんの数分で城の中に居た人間は全滅し、
一体の化け物が生まれた。
無駄に死んでいった者たちの怨霊や未練が魂化され生まれたとされた。
その一体の実体の無い鬼が人間の事を調べだし、
散りばめられていた人間の血を全て吸収し容姿を人間そっくりに化け、
人間と同じ様に家族を持とうと、
嫁を生み出し二人の子供を産んだ。
その際、
自分と同じDNAでは家族になれないと知った鬼は色々な実験を繰り返し、
自分より程遠いDNAを持った鬼が生まれるまで、
その過程を繰り返した。
およそ二千体ほど繰り返し、
やっと自分の理想の個体が生まれた。
その鬼に自分の理想の容姿を与え、
知恵を与えて人間と同じ性行為を行い、
子供を産んだ。
子供を産むために人間の子宮を吸収させ、
出産可能にしていた。
もちろん全女体に変化させた者達へ子宮を吸収させた為、
誰とでも子を作れるようになった。
こうして、
一体の初鬼は家族を作る事に成功し
この世界から人間を配下に置き征服しようと企んでいた。
そして
月日が経ち、
初鬼が生んだ者達が裏切りハーフを生み出したおかげで主犯格である初鬼を倒す事に成功した。
そこからハーフ達の活躍により、
被害は減り今に至る。
だが純血が全滅した訳でも、
被害が完全に無くなった訳でもない。
その理由はハーフである一人の女性がある提案を持ちかけたせいだ。
彼女は純血である鬼達の中にも良心的な鬼者達も居ると話し、
和解がしたいと言い、
ハーフメンバー達もそれに頷いていた。
そして、
彼女は鬼を全滅させるよりも、
良心的な鬼達と和解し協定を結ぼうと提案した。
もちろん、
その提案に否定する者も居たが、
彼女の強い意志により、
可決され協定に動き、
十年以上かけ徐々に鬼と人間が共同で暮らせる環境を作っていった。
鬼達へは人間の血を毎日少しずつ抜き、
飢えてる者達へ寄付し、
裏切りや人間を襲う鬼が居たら即排除を行ってきた。
こうして、
全ての過程の二十数年が経った今、
ある一つの事件を引き金に最大級の悲惨で残酷な大事件が引き起こる…
鬼達もほとんどの純血が穏やかになり、
人間を理解し努力していた。
だけど中にはそうでは無い者達も存在し、
少数だが鬼側に反逆組織が生まれていた。
そして、
そんなある日……
21XX年11月11日
数百の善良な純血の鬼達が
「足りない…」
「まだまだ足りない……」
「必ず絶鬼だ…」
「一匹残らず…」
「……ココロ」
黒い雷を全身にまとった青年に
一箇所にまとめられ
除去されていた……
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