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ユリ「ありがとう、キバナ…
分かっているわ、あなたの気持ちは…。
ごめんなさい、あなたの反応を見たくてちょっとからかってみただけよ。
ケン君もごめんなさいね、びっくりさせちゃって…」
ケン「あ、いえ……。
(でも、ちょっと嬉しかったかな…∥)」
ユリ「改めて紹介するわ、キバナ。
この子はケン君。私の新しいお友達、そして、ザシアンに認められた英雄よ。」
ケン「え…!?
僕がザシアンに認められた英雄!?
それ、本当なんですかユリさん!?」
ユリ「なんとなく、だけどね。」
ケン「な、なんとなくって……」
キバナ「おいおい、ちょっと待て!話しが見えねえんだけど…お前達ザシアンに会ったのか?」
ユリ「ええ、会ったわ。」
キバナ「マジか!だって、そいつらはもう───……!」
ユリ「そうね…でも、たとえ肉体は滅びても、彼らの魂は変わらずずっとここにあるわ。いつも彼らの墓参りに来ていた私にはそれが分かる。
何より、彼らのトレードマークだった剣と盾がここにあるのがその証拠よ…今ではどちらも朽ちてしまっているけれど、でも、まだ役目は終わっていない。だから、彼らはずっと守っていたのよ、再び英雄が現れるその時まで──…。」
キバナ「へぇ…。
(じゃあ、さっきの霧はもしかしてザシアンが……まるで神隠しだな…。)
…で、その英雄がここにいるケンだってのか…」
ユリ「そうよ。
ザシアンに会えるなんてめったにないことだし、ケン君、あなたはきっとザシアンにここに導かれたのよ。
そして、ザシアンはあなたの力を試した…それってあなたがザシアンに英雄として認められた何よりの証拠だと私はそう思うの。」
と、ユリはその墓を見つめた…。
ケン「そうなんですか…!
なんだか信じられないなぁ…それに英雄だなんて…僕はそんなに凄くないのに…」
ユリ「なに言ってるの、ピカチュウと共にザシアンに立ち向かうあなたはとても勇敢だったわよ、ケン君!まるで、本で読んだ英雄の姿そのものを見ているみたいだったわ!
ザシアンもきっとそういう人を待ってたの!
再びガラルを救うために一緒に戦ってくれる人を……うっ、ゴホゴホッ!」
キバナ「ユリ、ザシアンに会って興奮するその気持ちは分かるが、あんま無理すんな…!なんだか寒くなって来たしな、これ以上ここにいたら体に障る…そろそろナックルシティに帰ろう。」
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