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タイル張りの床は8月とは言え
足の裏を冷たく刺激したが
生まれたままの姿で俺の前に立つ
レイナを見るに連れ
ついあれこれと想像を巡らせてしまい、
体の方は内側からかなり熱くなっていた。
「あれ?まだ冷たいなぁ、ちょっと待っててね」
「慌てなくていいよ」
「ん、ありがと」
しゃがんでシャワーの温度調整をする
レイナの肩に手を置いてオレは話しかけた。
「レイナちゃん…」
「なぁに?」
ー めちゃめちゃ細いよね?
しっかり食べてる?
「そぉ?これでもまだ、ダイエットしてるんだよぉ」
「でも、ほら、こんなに鎖骨が…」
「あっ…あん!」
オレは軽く肩を指でなぞっただけだったのだが
レイナは突然、艶っぽい声を出した。
「あ、ごめんね」
「ううん、大丈夫」
どうしたんだろう?
そんなに敏感なのだろうか?
ー そうそう、さっき話したよね
今日はカップルみたいに過ごそう、って言ったのは
「うん」
「同い年なんだ」
「へぇ!そうなんだ!てっきり年下だと思ってた」
「え?そんなに子供っぽい?」
「ってか、何か見た目かわいい」
「『かわいい』って誉め言葉かな?この歳で」
「もちろんだよ、若く見えるのはいいことじゃない?それじゃ体洗うねー」
「何か緊張」
「そんなこと言って、もぅここはこんなになってるのに!」
「体は正直だ」
「ぷっ!ほんとに!」
すっかり元気になった
上向きの俺自身を丹念に洗いながら
レイナは吹き出した。
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