03. 聖域

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タイル張りの床は8月とは言え 足の裏を冷たく刺激したが 生まれたままの姿で俺の前に立つ レイナを見るに連れ ついあれこれと想像を巡らせてしまい、 体の方は内側からかなり熱くなっていた。 「あれ?まだ冷たいなぁ、ちょっと待っててね」 「慌てなくていいよ」 「ん、ありがと」 しゃがんでシャワーの温度調整をする レイナの肩に手を置いてオレは話しかけた。 「レイナちゃん…」 「なぁに?」 ー めちゃめちゃ細いよね? しっかり食べてる? 「そぉ?これでもまだ、ダイエットしてるんだよぉ」 「でも、ほら、こんなに鎖骨が…」 「あっ…あん!」 オレは軽く肩を指でなぞっただけだったのだが レイナは突然、艶っぽい声を出した。 「あ、ごめんね」 「ううん、大丈夫」 どうしたんだろう? そんなに敏感なのだろうか? ー そうそう、さっき話したよね 今日はカップルみたいに過ごそう、って言ったのは 「うん」 「同い年なんだ」 「へぇ!そうなんだ!てっきり年下だと思ってた」 「え?そんなに子供っぽい?」 「ってか、何か見た目かわいい」 「『かわいい』って誉め言葉かな?この歳で」 「もちろんだよ、若く見えるのはいいことじゃない?それじゃ体洗うねー」 「何か緊張」 「そんなこと言って、もぅはこんなになってるのに!」 「体は正直だ」 「ぷっ!ほんとに!」 すっかり元気になった 上向きのを丹念に洗いながら レイナは吹き出した。
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