01. 相性

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ってあるよね、やっぱりさ」 そう言い残して玲奈(れいな)は俺の前から 去っていった。 そんなに下手だったか? それとも早かった? ー ダメだよ、清也(せいや)・・・ そんなこと言ってるうちは 彼女が出来てもまた同じこと繰り返しちゃうよ… 何なんだよ? 相性…体の相性ってさ。 玲奈、お前はこれまで どんだけの男と寝てきたんだ? わかったようなこと言ってるけど ただ単に俺じゃ満足できなかったって ことだろ? それとも俺に何か足りないものでも? いや、そんなはずはない その証拠に玲奈はベッドの上では あんなにも激しかったじゃないか… もう、どうでもいいや しばらく1人で気ままに過ごすことにしよう プレゼント何にしようか、なんて悩まず 週末も祝祭日もスケジュールを気にすることなく そう、自由きままに… そう強がってはみたものの 玲奈と別れて数ヶ月が過ぎると さすがに少し身も心も寂しくなってきた。 かと言ってすぐに彼女が出来るほど 俺に甲斐性があるはずもなく 退屈に過ごす毎日の中で ある日の仕事終わりのこと 「藤谷(ふじたに)さん、ちょっといいです?」 後輩の内藤が声をかけてきた。
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