02. レイナ

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移動中、内藤とあれこれ話した。 「内藤はさ、この手のお店たまに行ってんだ?」 「そうっすね、二課の高梁(たかはし)さんが好きなんすよ、だから時々付き合いで」 「あぁわかる、高梁、好きそうだもんな」 「藤谷さんは?あります?」 オレは今日が正真正銘の初めてだよ これまで誘われても割りと敬遠してたから 「え?何でですか」 何かさ、ビジネスの匂いがすんだよな、 職業に偏見とか持ってる訳じゃないけど そこに愛はないだろ、みたいなね。 「そこは多少割り切らないと、ですよ スッキリさせてもらえる訳ですし」 「そんなもんかね」 「まあ、今日体感してくださいよ」 今日行くとこってどんなお店なんだよ? サービスは『どこ』までだ? 「とりあえず終わりですね、手とかここ…とかで」 内藤はそう言って自分の口を指差した。 「愛なんて、ねぇんだろうなぁ」 「そこは気持ちの持ち様ですよ、藤谷さん」 ほどなく内藤の運転する車は明るいネオンが 煌めくお店に到着した。 「Girls Street」 そんな看板を人目を気にしながら二人で入ると   「いらっしゃいませ」 俺たちは受付で大柄なイカついおじさん店員に 出迎えられた。
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