33人が本棚に入れています
本棚に追加
/74ページ
移動中、内藤とあれこれ話した。
「内藤はさ、この手のお店たまに行ってんだ?」
「そうっすね、二課の高梁さんが好きなんすよ、だから時々付き合いで」
「あぁわかる、高梁、好きそうだもんな」
「藤谷さんは?あります?」
オレは今日が正真正銘の初めてだよ
これまで誘われても割りと敬遠してたから
「え?何でですか」
何かさ、ビジネスの匂いがすんだよな、
職業に偏見とか持ってる訳じゃないけど
そこに愛はないだろ、みたいなね。
「そこは多少割り切らないと、ですよ
スッキリさせてもらえる訳ですし」
「そんなもんかね」
「まあ、今日体感してくださいよ」
今日行くとこってどんなお店なんだよ?
サービスは『どこ』までだ?
「とりあえず出してもらって終わりですね、手とかここ…とかで」
内藤はそう言って自分の口を指差した。
「愛なんて、ねぇんだろうなぁ」
「そこは気持ちの持ち様ですよ、藤谷さん」
ほどなく内藤の運転する車は明るいネオンが
煌めくお店に到着した。
「Girls Street」
そんな看板を人目を気にしながら二人で入ると
「いらっしゃいませ」
俺たちは受付で大柄なイカついおじさん店員に
出迎えられた。
最初のコメントを投稿しよう!