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カーテンで仕切られた薄暗い待ち合い室で
内藤と合流した。
「誰かお目当ての娘、指名したの?」
「あ、ボクはアヤカちゃんて娘を…何か気が強そうで…ボク、タイプなんすよ」
「ははは、お前そう言う性癖あるの?」
「ドMなんすよ…出ますよね、こう言うとこ来ると本音が。で、藤谷さんは?」
「オレはおまかせにしたよ、そしたら二人のうちから指名料なしで選ばせてくれた」
「マジっすか?交渉上手いっすね、さすが営業成績トップクラスっすよね」
― いやいや、お店のシステムを知らないだけだよ
どの道、今日限りのお相手なんだしさ…
感心する内藤を尻目に俺は心の中で呟いた。
待つこと数分
受付に小刻みな電話のベルが鳴り
まず先に内藤が案内されていった。
その後すぐにオレのところにも
例のイカついおじさんが
「お待たせしました、ただ今からご案内します」
そう呼びに来た。
怪しげなポスターの貼られた
狭い廊下を突き当たると目の前に階段があった。
「女の子、2階でお待ちしてますので…
それではごゆっくりお楽しみください」
思いの外傾斜の強い
まるで昔の城のような階段を昇るうちに
久しぶりに気持ちが高揚するのを感じた。
たまには悪くないな、こんなのも…
一体どんな娘が出迎えてくれるのだろう。
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