02. レイナ

6/7
前へ
/74ページ
次へ
部屋の照明は暗く設定されていて 明るさは調整できるらしい ドアを開けると彼女は照明を目一杯明るくした。 黄色い蛍光灯の下に照らされて ぼんやりと浮かび上がった空間は まるでアパートの一室のような 雰囲気だった。 中央に据え置かれたベッドは 真っ白なタオル地のシーツが掛けられ クローゼットには山積みのタオル、 タオルの数だけが一般の居住空間と比べて やたらと多い印象を受けた。 「この部屋ってレイナちゃん専用なんだ?」 「そう!テレビもついててお菓子も食べ放題なの」 レイナはシャワー室の横にある 戸棚からキャンディを取り出してオレに投げた。 「じゃあ、よろしくね」 俺がそう言って両手を広げると 「はーい!」と レイナはオレの胸に飛び込んできた。 いきなりのスキンシップだが こんな行為すらこの空間では さほど特別なことではないのだろう。 なびいた髪の毛が頬に纏わり 仄かなシャンプーの香りに包まれた まるで洗いたてのようだ。 オレは抱き合ったままレイナに聞いてみた。 「髪、洗ったばかり?」 「そう!わかる?」 「うん、何となくね」 「実は…さっき顔にちゃって!」 「プッ!マジで?」 ストレートな下ネタすら笑いながら話せる、 何てあっけらかんとした空間なんだ? ここからの45分がやたらと楽しみになった。 細身の割にふくよかなレイナの胸の膨らみは 服を着たままでもはっきりと体感できる その心地よさを感じながら しばらく抱き合った後で 「じゃ、シャワーしよっか」 レイナに促されて手荷物を床の上に置いた。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加