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少年「またそれ?聞き飽きたよ」
少女「お婆ちゃんが読むから良いの!」
啀み合う2人
老婆「じゃあ今日は御本を呼んであげようかね」
少年「えー!」
老婆「文句言わないの。お兄ちゃんだろ?」
ふて腐れる少年
慰める様に
少年の頭を撫でる老婆
本を開く事無く
語り始める
老婆「昔、むかし、そのまた昔
これは
かつてこの世界に
「マホウ」と言う物が
存在していた頃のお話
その世界の中心には天高くのびる
「イザナギの樹」が生え
それを
地上に生きる「ヒト」と
地下に生きる「マモノ」が
所有権を巡り
100年に1度
大きな戦争を行っていました。
繰り返すこと40回
力を合わせる筈の
「ヒト」同士に
険悪な感情が芽生えてしまい。
また
「マモノ」にもある変化が起きます。
世界中が混沌に向かう頃・・・」
少年「4人の英雄が現れて救ってくれたんだろ?」
少女「違うよ」
少年「違くないよ。
こっちは耳にタコが出来るほど聞かされているんだ。
(老婆に)そうでしょ?」
老婆「(微笑む)残念ながら外れだ」
本をひっくり返す
背表紙には
イザナギの樹を
遠く見つめるアルフ一行の後ろ姿
全てが終わる前か後か
一行の装備は
最後に身につける一式
老婆「そう。
英雄と呼ぶにはまだ幼く。
1人の彷徨い人でしか無かった
彼らの元に
星を巡る運命が
静かに、
しかし確かな足音を立てて
差し迫っていた」
風が吹き
木の枝葉が揺れる
本がパラパラと捲れ
1ページ目が開く
そこには
渓谷を歩く隊列
「英雄の行進」と
林の中を
必死に走り逃げる
アルフの姿が描かれる
序章~完~
本編へ続く
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