十三日の金曜日の告白

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十三日の金曜日の告白

ちらりちらりと粉雪が舞う。コートにマフラーに手袋。冬の装いに俺はしばし目を奪われる。学生たちが足早に歩く校門前。俺の視線は一人の少女に傾き、そのまま目を逸らした。 「おはよー」 逸らした先には悪友の信也が現れる。 「正樹、また鍋島さん見てたの?まぁ可愛いけどねぇ。でも正樹には無理かぁ」 「チャラいお前と一緒にすんな!」 肩に乗せられた信也の手を払い、すたすたと校舎と歩み出す。彼女持ちの信也には、俺の気持ちなんて分かんねーよ。 信也は、しつこく俺に付きまとう。 「どうせ彼女持ちの俺には、お前の気持ち分かんねーよ!とか思ってるんだろ?分かるぞ!俺だって美穂ちゃんに十三回告白してやっと付き合ってもらえたんだからな!」 鬱陶しい。信也みたいに何回も告白する勇気は俺にはない。鍋島さんに告白して断られたら俺は立ち直れる自信もない。
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