定め

3/8
前へ
/8ページ
次へ
 綾子。君に出会った時、俺は運命の出会いだと思った。 スラリと背が高く、美しく、可愛い笑顔。 そしてその笑顔の中に輝く白い歯!  それがどうだ。 三日前、君といつもの様に楽しく夕食を食べていた時だった。 君はデザートのアイスを食べた後、にわかに左の頬を抑え、こう言った。 「痛ぁ。虫歯になっちゃってさぁ」  俺は愕然とした。  我が道明寺家(どうみょうじけ)には決して犯してはならない掟がある。 道明寺家に虫歯はあってはならない。 そう、道明寺家に虫歯菌を持ち込んではならないのだ。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加