あるべき姿

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「今日は、映像技術の発想の天才児、足立望さんをご紹介します。今の映画会を牽引している立役者です。」 いつもの朝。 隣には安堂くん。 一緒に作った朝食を一緒に食べて居る。 テレビでは、 望さんの活躍を伝えるニュース番組がやっていた。 「すごいな・・・」 「うん・・・すごいね・・・」 僕は安堂くんの方を見た。 その目はこちらを向いていて・・・ 僕はにっこり微笑んだ。 すぐに伸ばされる右手が、 僕の首を掴んで安堂くんの方へ引っ張られる。 僕の顔は安堂くんの顔にめいっぱい近づいた。 「こんな人が恋人だったなんてな。」 「もう・・・昔のことだよ・・・今の僕は・・・・・・」 おでことおでこを合わせて、 グリグリされた。 愛情表現が素直で嬉しい。 「でも、よかった・・・隣に居るの、きっと彼女さんだよ・・・」 「そうだな・・・本当に良かったな・・・」 僕らは至近距離で見つめ合った。 どちらともなく、 キスを交わし合う。 「はっ!!大変!!仕事、遅れちゃう!!」 僕と安堂くんは、 同じ広告代理店に就職していた。 部署は、 違うけど同じ階にある。 僕達は慌てて朝食の後片付けをして、 一緒に出勤した。 僕らの仲は、 職場の皆にはオープンにしてある。 それでもいいと、 雇ってくれたオーナー。 職場の皆。 僕は今、 これ以上無いくらいに幸せだ・・・ 神様どうかお願い。 これからもずっとこの幸せが続きますように。 ー完ー
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