別れ

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紅茶と安堂くんの持ってきてくれたケーキで、 テーブルに向かい合わせに座った。 「あの・・・ホントに・・・来て貰ってしまって・・・ご、ごめんね。」 「俺は飛永に会えて嬉しいけど。」 「あ、ありがとう。ぼ、僕も、安堂くんに会えて、う、嬉しいです。」 「なんで敬語?」 安堂くんがクスクス笑っている。 こうしていると、 昔に戻ったようだ。 普通に、 大学に通い、 安堂くん達と一緒に・・・居た・・・ あの頃に・・・ 僕はとても懐かしい思いに襲われた。 ふふふ・・・ふふ・・・だね・・・あはは・・・ 同級生と話すって、 こんな楽しかったっけ・・・ って思って居る内に、 外から車の止まる音が聞こえた。 え・・・ もしかして・・・ 望さん・・・ 帰ってきたの? 「飛永、大丈夫か?眉間にしわ・・・」 え? なんでしわ?・・・ 望さんに安堂くんをこの家に入れたこと、 怒られるだろうか? そう思ったらふいに・・・ 「俺が強引にこの場所を聞いたってことにしろ。話を合わせてくれ。」 「そ、そんな・・・僕・・・」 「いいから。」 僕はまた安堂くんに守られるの? 弱い弱い僕・・・ こんな僕、 望さんにも愛想を尽かされるよね・・・ だから最近、 東京へ行ったきり帰って来ないんだよね・・・
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