別れ

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それから数日が過ぎ・・・ 僕は、 変わらず安堂くんのアパートに身を寄せていた。 一度も外に出ずに・・・ くす・・・ 僕は、 安堂くんが大学に行っている間、 独りぼっちだった。 自然と笑みが湧き上がってくる。 安堂くんて、 本当はとても可愛い人なんだ・・・ 朝の寝癖・・・ 僕が直してあげた・・・ 頬を赤くして、 とても可愛い照れた顔を見せてくれた。 朝ごはんと、 昼ご飯の支度をしてくれる。 僕の・・・為に・・・ 夜ご飯は、 一緒に作って一緒に食べた。 望さん・・・ どうしてるだろ・・・ 僕がここに居ること・・・ きっともう分かってるんだろうなぁ・・・ それでも迎えに来ないってことは、 もう僕を手放すってこと? そう考えると、 ギュッと胸が痛む。 あんなに好きだった人は居ない。 もう・・・ お別れなの・・・かな・・・ いいの?僕・・・ このまま安堂くんのものになっても・・・いいの?・・・ はぁっと、 溜息をついた。 僕にはどうしようも無い。 流されるままに流されるだけ・・・ 安堂くんのことは好き・・・ 望さんのそれとは違うけれど・・・ 愛してた・・・望さん・・・
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