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起きて、横に男がいて茫然とする……ドラマか小説のような状況が、まさか自分に起こるとは普通考えない。でも、弥生はそのとおりになっている。
健司以外の男性にも抱かれたことはあるけど、昨日の冬夜とのような、痺れるような快感を覚えたのは、当たり前だけど初めてになる。何度も絶頂に追いやられて、身もだえするほど震えた。
もしかしたらアルコールの力があったかもしれないけど、冬夜は飲んでいなかった。なのに、冬夜も同じ快感を覚えたのは分かっている。ありえない夜だというのは理解できた。
眠る冬夜を見ると身体が疼くのが分かる。もう一度、この身体に抱かれたいと本能が告げてくる。
弥生が動いたからか、冬夜の瞳が開いた。
「おはよ、弥生。二日酔いじゃない?」
確認された弥生はあいまいに首を振った。激しい一夜がアルコールを飛ばしたように思える。飲んだ量に比べて、酔いは絶対に少ない。
しかも、冬夜は当然のように弥生を呼び捨てにした。弥生にしても、こんな状態で、ちゃんをつけてほしいとは思わない。それでも、一夜が明けた今、弥生は冬夜を呼び捨てにはできそうになかった。
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