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あった向こうには海があった。沈んでいく砂の感覚を感じながら海と平行線に歩いていると構ってほしい猫が寄ってきた。撫で回しながら見たことのある猫だと思った。あの路地裏の猫だったのかと思うことにした。
赤い風が吹いて吹いて吹いて、聞き覚えのある声がした。ついでにこの声は今日2回目だと思った。
『小説はどうしたの』
そうだ、今日は紙に綴ってない。綴ることがないからだ。猫に構うことが飽きたのでまた少し歩くことにした。声に声をかけようとしたが言葉を忘れた。
ちょっと歩くと学校のような建物が誘っていたのでなかに入った。木製の机の教室の真ん中の木製の机に座って明るいものに照らされながら緑板を見ていた。随分と東に来た、気がした。紙に綴った。
「まるで世界から取り残されたみたいだ。そんな孤独に依存しないのは、最初から〇〇だったからなんだ。」
木製の机の教室を出たら無人の廊下を回って周って廻ってようやく外に出たときには北に行っていた。
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