ガーデンプレイスまでの距離

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「……ユウキくんって、写真好きなんだ」 「写真は別に」 (写真は、ってなんか含みがある言い方だな)  引っかかりを覚えて返事が遅れると、彼は構えていたスマホを下ろして優樹に見えるようにかざしてくれた。画面を覗き込むと、文句なしに美しく撮れている。 「上手だね」 「んー、カメラの性能じゃない?」 「そういえばこれ、最新のだよね?」  使いこなせる彼の腕があってのことなのだろうが、CMで三種類のカメラを搭載していると言っていた気がする。 「そう。なんか欲しくなって」 「エンジニアの血が騒ぐ?」 「そうかも」  言葉少なながら彼が笑ったような気配を感じて、優樹も笑顔になる。 「行こうか」  スマホをしまうと、彼は再び優樹に手を差し出した。 (あー! 自然に! さすがです!)  テンションがおかしいのは承知だが、それくらいの衝撃を受けているのだ。二度目といえども戸惑いは残る。しかし今度は間違えず、てのひらを重ねた。  その後、また歩き出す__かに思われたが、一度つないだ手をすぐに緩められてもう一度つなぎ直される。今度は指同士が互い違いに絡んだ、いわゆる恋人つなぎでだ。ひゅ、と小さく喉が鳴る。 (ウソ……だろ?)  指の股にしっかりと差し込まれた第三関節は、見た目に反してなかなかの存在感がある。指が細くて長いのだと思っていたけれど、それは印象だけで、実際はしっかりした骨組みが感じられた。 「これ、嫌い?」
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