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その情報をもとに、先野は三条とともに天川ライムに会って直接問いただした。ライムは認めた。
書いた報告書を依頼者のマネージャに見せ、あとはTY本人に確認してもらうしかないですね、と先野は話を締めくくった。
興信所「新・土井エージェント」の面談ブースで、依頼者は驚きを隠せない。
「その話、もちろん口外しませんよね?」
TYに隠し子がいた、という事実である。山丸剛毅が会っていたのが異母妹と知って、別の意味でスキャンダルに発展しないかと危惧するのも当然だろう。
「それは約束しますよ。依頼者の情報はどんなことがあっても口外しません。信用なさって結構です」
先野は断言する。探偵なるもの、口が固くなくては務まらない。
「生活費についてはTYさんが面倒を見てくれているせいで困窮せずにすんでいるのが救いでしょうね。ともかく、調査は致しました。それでどうされるかは、お客様次第です」
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