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一流の大物俳優TYの息子となれば、デビューするグループでもリーダーを務め、求められるパフォーマンスも一段高いのものとなる。
おそらく本人が望んだ道ではあるだろうが、厳しい世界だ。子役として幼少の頃から活動しているのならいざ知らず、高校を卒業してから本格的に芸能活動を始めるわけだから、その厳しさはなおのことだ。この年齢まで普通の少年として過ごしてきたのは、本人の意思が固まるのを尊重してきたせいなのだろうが、そこからのスタートで大成するとなると、その努力は並大抵ではない。
偉大な父親がいるというのは、ある意味、気の毒にも思える。サラブレッドの宿命を背負わされ、なにかと親と較べられてしまうから。自分の親が凡庸でよかったと安堵する瞬間かもしれなかった。
「ま、しかし、それはそれ。仕事に同情は禁物だ」
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