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「おれにそんなエネルギーが?」
ビッグスターになれるのを暗示しているかのようで、根拠があるかどうかわからないながらも気分がよくなる。
「でもどうやって分けるんだい?」
すると、メイムはポケットから小さなものを取り出した。卵形の容器だ。表面に細かな装飾が施され、高価な印象を与える。上部のフタをあけ、手品師のように中身のないのを示した。
「このなかに、あなたの貴重な時間を入れるの」
「時間?」
「そ。だれもが持ってるけど、貴重なもの」
「たしかに貴重だ。ちょっと考えてしまうなぁ」
「でも、わたしが人間界で人助けをするんだから、その値打ちはあると思うわよ」
「人助け……人命救助も?」
「もちろん」
メイムは笑顔で大きくうなずいた。
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