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「そうか……」
TYはつぶやいた。ひと月ほど前に起こった大地震を思い出した。地滑りがいくつも起き、多くの死者がでた。自然災害の多い日本では毎年のように大きな被害が出ている。少女の魔法でそれが救えるなら、自分はいくらでも協力しようという気になった。
「わかった。じゃあ、必要なだけもらってくれ」
「ありがとう。ちょっとだけ時間をもらうね。おにいさんにも幸運がありますように」
卵形容器を握って一瞬後──。
瞬間的なことだと思っていたが、実は三日もたっていた。おかげで映画の撮影スタッフにはひどく迷惑をかけてしまったが、平謝りして撮影は無事に終了した。
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