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その後、休日には定期的にメイムと会っていた。それから一年後、彼女は修行を終えて魔法の世界へ帰っていった。その間、大雪や台風で死者がでたが、不自然なほど奇跡的な幸運で命拾いした人の話もメディアで聞き、メイムがやったんだろな、と密かに思うのだった。
「それがわたしのママ。で、今度はわたしが修行のために人間界に来てるわけ。もっとも、ママと違って、わたしは一回に一時間しか時間をもらわないようにしてるけど。だって、いっぺんにたくさんもらったら不都合があるでしょ」
「そんな荒唐無稽な話……!」
黙って聞いていた三条は当然ながら信じられない。バカにされているような気分だった。
「からかうのはやめて、本当の話をしてちょうだい」
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