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「そ……そうですな……」
空調が利いているにも関わらず額に汗の玉を浮かべているマネージャは、
「ちょっと社内で検討することにします」
と、難しそうな表情で。
「それがよろしゅうございましょう」
どこか面白がっているような先野の口調である。
依頼者が帰ると、同席していた三条は初めて口を開いた。
「先野さん、今回の案件、どう見ますか?」
「どうって……?」
「なんだか都合が良すぎるように思いませんか?」
「そうか?」
先野は、山丸剛毅の密会相手が実父の隠し子だという推理が当たって気分がいいせいか、不自然だとは思わないらしい。
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