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ライムの母とも面会していた。ライムの母親だと名乗る女と会ったとき、これも魔法で出現させたのだろうかと、三条は相手の顔を無遠慮にジロジロと見てしまった。この案件に関してはなにもかも信じられない気持ちだった。
「久々にすっきりした気分だぜ」
すがすがしい表情の先野の横で、三条はかぶりを振る。
「三条さん、今日はなんかへんだよ。こんなに証拠がそろってて、なにを疑うんだい?」
そのとおりだ。疑念の余地はどこにもない。先野の態度は当然だと言えた。もし自分が先野の立場なら、きっと同じような報告をしただろう。
先野は原田翔太に声をかける。
「ハラショー、昼飯に行こうぜ。きょうは奢ってやる」
地図を広げて調べ物をしていた後輩は、
「あざーすっ、ゴチになります!」
勢いよく席を立つ。
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