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それから三年と立たぬうちに帝位は動いた。
病弱な心身を理由に上皇として退き、嵯峨天皇の治世が始まることになる。そのあまりに短い在位に揺れ動く政を平定させるために、大幅な人事の刷新が行われた事は言うまでも無い。
平城帝に偏る者や、それとは反対に、目に見えて反旗を翻した者らは軒並みに失脚するに至った。
そして左大臣、源亘はと言えば、不安定な政情にも確かな地盤を築き上げ、下級官吏の育成に力を注いでいた。
世襲に囚われず、才ある者らを正しく評価する姿勢が地方官吏からも支持を集め、現朝廷でも信の篤い重臣としてその身を置いている。
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