運命

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12年ぶりに会った茜は、当時と変わらない容姿でそこにいた。少し大袈裟だけど、俺はそう感じた。 いや、やっぱり少し老けたかな? どっちにしても茜を綺麗だと思った。 発情なんかしていなくても、抱けるものならすぐにでも抱きたい、とも。 高校生の完璧な茜からは想像もつかないほど乱雑に物が散らばった部屋。 荒れてはいるけど、ゴミが落ちていないのが茜らしい。 リビングの掃除をしていて見つけた抑制剤と特効薬。俺はそれをポケットにしまった。 もし茜の発情期が来たら、その時に俺がそばに居たら、抑制剤も特効薬も無い状態でαを求める茜を抱けるかもしれない。邪な俺がいた。
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